情熱的に愛して
雪人は、スーッと息を吸い込んだ。

「市川夏海さん、俺と結婚してください。」

周りからは、キャーと言う悲鳴が聞こえた。

「ゆ、雪人!?」

「俺にはやっぱり、夏海しかいないんだ。」


私は茫然とした。

えっ?なに?

私、みんなの前でプロポーズされてるの?


「えっ……だって、雪人。」

「ああ、一旦は分かったって言った。」

おろおろしている私の手を、雪人は握ってくれた。

「だから、何もかもリセットして、改めて俺と結婚してほしいんだ。」

ジーンとして、胸が熱くなる。

「夏海から、おじいちゃんの話聞いた時、これはチャンスだと思った。俺、夏海の事好きだったから。」

「ええっ!?」

思いがけない告白に、私は握られていない片方の手で、口を覆った。
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