情熱的に愛して
「……って言う事は、”偽装結婚”は、雪人の戦略?」

「まあ、そう言うものかな。」

作戦成功とばかりに、ウィンクをする雪人。

私は、開いた口が塞がらない。

「一生に一度くらいは、情熱的になってみないとな。」

そう言って雪人は、私を抱きしめてくれた。


雪人の後ろにいる、清水係長と店長が、ニヤニヤしている。

「いいんじゃない?私も、こんな情熱的なプロポーズ、してほしいわ~。」

そして秋香だけが一人、キャーキャー叫んでいる。

「やっぱり二人は、何かあるんじゃないかって、思ってたのよー。」

そう言って秋香は、嬉しそうに涙を流してくれた。


「それで?夏海の返事は?」

私は、ゴクンと息を飲んだ。
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