情熱的に愛して
「いや、本当。明日も早いんで。なあ、市川。」

そう言って向かい側の席の門馬雪人が、私にウィンクをする。


ええ!?

もしかして奴も、伊達さんと秋香を二人にしようと?

いや、無理無理。

あなたと二人で店を出るなんて、無理!

それに、合コンじゃないと分かったら、呑みたいし!


「そうか。残念だな。」


いやいや、伊達さん。

全然、残念がってないし。

それよりも、秋香と二人きりになれるから、嬉しそうだし!


「じゃあ、飲み物頼もう。ビール人!」

私は思いっきり、手を挙げた。

「おっ、今日はカクテルじゃないのか。」

門馬雪人が、私の顔を覗く。

「うん。今日はなんだか、ビールって気分でぇ。」
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