情熱的に愛して
「じゃあ、俺達はビールにしようか。」

「そうだな。」

でも二人が頼んだのは、普通のビールじゃなくて、黒ビール。

私は二人に知られないように、ゴクンと息を飲んだ。

「夏海、夏海。」

「えっ?」

「目線、目線。」

知らないうちに、黒ビールを見つめてしまっていた私に、秋香が注意する。

ふふふっと、口に手を当てながら笑うと、白石さんも丸森さんも、笑顔になってくれた。

ああ、この笑顔もいい!

私はテーブルの下で、ガッツポーズをした。


カクテル二つに、黒ビールが二つ運ばれてきて、私達は出会いの祝宴を始めた。

「はい。二人は何の仕事してるの?」

「アパレル関係でーす!」
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