情熱的に愛して
「嘘つかないで下さいよ。薬指に指輪の痕、ついてますよ。」

伊達さんは、慌てて薬指を見ていた。

どうやらビンゴだったらしい。


「どうして、結婚じゃないって、分かったの?」

門馬雪人は、楽しそうに秋香に話しかける。

「シャツはアイロンかかってないし。それに指輪の痕、結婚指輪にしては太いなって思って。」

「見てるね~。」

伊達さんも、秋香には完敗だったみたいだ。

それしにしても秋香、すごい。

私は何一つ、知らなかった。


「と、言う訳で。私もビールにしちゃおうかな。」

秋香は、店員さんを呼んで、ビールを頼んだ。

「今日は、伊達さんのおごりね。」

「……はい。」

ちゃっかり、伊達さんのご馳走を取り付けて。
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