情熱的に愛して
「俺は今、必要としてないからいいの。」

伊達さんと門馬雪人は、運ばれたビールで、また乾杯している。

「まあまあ、二人共。仲いいのは分かるけどさ。」

「仲良くありません!」

私が叫びながら否定しているのに、あいつはそんなの蚊帳の外で、新たなるおつまみなんか、頼もうとしている。

どうして仲がいいとか、付き合っているとか、誤解されているのに、そんな冷静でいられるの?

私は悔しくて、門馬雪人が持っているメニュー表を奪った。

「なにすんだよ。」

「人の話、聞いて。」

「聞いてるよ。俺とおまえが仲いいとか、そんな話だろ?」

あんなシラーッとしながら、ちゃんと聞いてますって顔が、益々悔しい。
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