情熱的に愛して
そこで、秋香と伊達さんが笑い転げて、今日の合コンまがいの飲み会は終わった。

お会計は、もちろん伊達さんが全部払ってくれて、それだけで得した気分になったのだけど……

「家、どっち方面?」

伊達さんが右手を、左右に指さす。

「俺、右方向です。」

門馬雪人は、そのままタクシーを捕まえた。

「えっと……私は……」

私も右方向だけど、このままじゃあ、こいつと一緒になるから左って言っておこう。

「……左。」

「市川は、俺と同じ方向だろ。」

私は、目を大きくした。


「な、なんで知ってるの?」

「会社の飲み会の度に、酔って倒れたおまえを送ってるからな。嫌でも知ってるんだよ。」

「ひぃぃぃぃ。」
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