情熱的に愛して
それは嘘じゃない。

本当にアパレル関係に勤めていると言っても、企画部と言って決して表に出ない。

売り子さん達や、デザイナーさん達みたいに、派手な部署でもない。


「へえ。何て言うブランド?」

「ホワイトプレンとか、ユージュアルとか……」

二人の頭の上に”?”が浮かぶ。

そりゃそうだ。

私達の会社は、有名なブランドじゃない。

マイナーなプチプラのお店だ。

社長さん達には、到底目がいかないだろう。


「あ、あんまり聞いた……見た事がないブランドだな。今度、探してみるね。」

「お願いしまーす……」

あーあ。

合コンやっている時の、この瞬間が嫌。

秋香は騙すのが嫌だって言うから、本当の事言うけれど。
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