情熱的に愛して
奴は、シーンと静まり返る。

「……俺とおまえ、結構いいコンビだと思っているけど?」

「嘘つかないで!」


ああ言えばこう言う。

しかもこっちが、やる気満々で発言しているのに、冷静沈着に言い返してくる奴と、どこがいいコンビなのよ。


「まあ、いい。一晩考えろ。」

「だから無理だって、言ってるでしょ!」

その時、門馬雪人は私の腕を、引き寄せた。

「よーく考えろよ。こんないい男と結婚できるなんて、なかなかないぞ。」

「うっ……」

改めて奴を見つめると、サラサラの前髪、引き込まれる黒い瞳、高い鼻に、セクシーな唇。

思わず心を奪われる。


「よし、じゃあな。お休み。」

そう言って門馬雪人は、暗い夜道の中に、消えて行った。
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