情熱的に愛して
エレベーターに乗り、部屋のある階に行くと、心臓がバクバクしてきた。

何、想像してるの?

相手は、門馬雪人だよ?

真っ赤になった頬に手を当てたら、自分の部屋に着いた。


「ほら、着いたぞ。」

「どうも。」

ドキドキして、上手く話せない。

こう言う時って、中に入れてお茶でも淹れた方が無難?

それとも、彼氏じゃないんだから、ここでサヨナラした方が……

「あの……送ってくれたお礼を……」

「礼なんて、いらないよ。」


私は、一気にガクッとくる。

考えに考えていた、私の時間を返せ。


「そうだ。これでチャラにしてやるよ。」

次の瞬間、門馬雪人の唇が私の唇に、重なった。

はぁ?

「じゃあな。」

何事もなかったように帰って行く奴。


やっぱり、奴との結婚なんて、無理だあああああ。
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