情熱的に愛して
こう言う時くらい、嘘ついたっていいと思う。

「そう言うお二人は?」

白石さんと丸森さんは、顔を見合わせた。

「僕は、靴メーカを経営しているよ。」

と、白石さんが言うと。

「俺は、スーツ。よく二人で服と靴の合わせについて、語っているよ。」

私は、思わず手を頬に当てた。

「いやん。お二人もアパレル関係だったんですね。」

そうなると、趣味や話も合う機会が多い。

ちらっと秋香を見ると、ウィンクをされた。


「そう言えば、どうして秋香と知り合ったんですか?」

その時、秋香と白石さんが、二人で微笑んだ。

「僕の靴屋に、秋香さんがお客様としてやってきてね。意気投合したんだ。」
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