情熱的に愛して
その時だった。

急に襖がガラッと開いた。

「ごちゃごちゃ、何を言ってるんじゃ。」

出て来たのは、病気で入院しているはずの、おじいちゃんだった。

一時帰宅?昨日までそんな事聞いてない。


おじいちゃんは、お父さんの隣に座ると、門馬雪人をジロジロ見始めた。

「……何だか、若い時のワシに似ておるの。」

私もお父さんもお母さんも、思わず吹き出しそうになった。

大好きなおじいちゃんだけど、これだけは言いたい。

おじいちゃん、そんなにイケメンじゃないから。


「そうですか?おじいさんに似ているだなんて、光栄です。」

さすが門馬雪人。

いつものクールな感じで、受け流す。


「夏海はな。仕事で忙しい両親に代わって、ワシが育てたようなもんじゃ。」
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