情熱的に愛して
「おじいちゃん……」

小さい時に、いつも一緒にいてくれたおじいちゃんを思い出した。

幼稚園の送り迎えから、小学校の宿題まで、全部おじいちゃんと一緒だった。

「そんな夏海が、結婚か。」

はぁっとおじいちゃんは、ため息をついた。

「いつか来るとは、思うとったが、とうとう来てしまったか。」

「お、おじい……ちゃん……」

しみじみしているおじいちゃんを見て、私も感極まってくる。


「いいじゃないか。好き同士、結婚させてやるのが、一番の幸せじゃあ。」

「おじいちゃん!」

私は、おじいちゃんにしがみついた。


こんな偽装結婚を後押ししてくれるなんて、おじいちゃん。

なんて、お礼を言ったらいいのか、分からない。
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