情熱的に愛して
「まったく、じいさんは夏海に甘いな。」

お父さんも、何だかしみじみしている。

「仕方ない。じいさんがそう言うんだったら、結婚を許そう。」

「お父さん!」

私は勢い余って、お父さんにもしがみついた。


これが本当の結婚だったら、泣いていたけれど、あくまで偽装結婚だもんなぁ。

ちょっと後ろめたい気もする。


「おじいさん、お父さん、有難うございます。」

門馬雪人は、クールにお礼を言っている。

そう言えば、どう思っているんだろう。

計画、上手く行ったとでも、奴は思っているのかな。

そんな風に見つめていた時だ。

門馬雪人と目が合って、ニコッとされた。


― 僕は、夏海さんが好きです -
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