情熱的に愛して
思い出したら、また胸がドキンとした。

「そうなったら、雪人君。一杯やるか。」

「はい、お父さん。」

お母さんは、あらかじめこういう事になると知っていたのか、直ぐにお酒の準備をしてきた。

ご丁寧に、酒の肴まで用意して。


「夏海の結婚に、乾杯!」

お父さんの音頭で、男三人乾杯だ。

「門馬……雪人さん、お酒飲んで大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。タクシーで来たから。」

用意周到。

本当に憎らしいくらいに、デキる男だ。


「雪人さんは、お酒は強い方なの?」

「そこそこ、イケると思います。」

そう言えば、飲み会でも酔った姿を見た事がない。

そんなに、お酒が強いのか?


しかもそれを聞いたお父さんは、どんどんお酒を門馬雪人に注ぐ。
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