情熱的に愛して
「おっ、早速?」

「言っておくけど、私、この3つ以外、嫌だから。」

そう捨て台詞を吐いて、私はデスクに戻った。


家に帰ってから、さっさと終わらせようと思っていたのに、あいつがピックアップしたのは、どれも素敵で。

その中から3つなんて、とても選べなくて。

結局、夜中までかかって、3つに絞った。

本当は他の物件もいい物があったんだけど、これは私の時間を大幅に奪ったあいつへの嫌み。

さあ、どう出る?

サッと、後ろを後ろを見ると、堂々とその間取り図を見ている。

えっ?

私には、会社で見るなって言っておきながら、自分は見るの?

おかしくない?


「あれ?門馬?引っ越しするの?」

「ああ、そんなもの。」
< 74 / 234 >

この作品をシェア

pagetop