情熱的に愛して
「おっと、大丈夫か?」

抱えていた段ボールが、一気に軽くなる。

顔を上げると、そこには眼鏡を掛けた門馬雪人が、サラサラの前髪をなびかせながら立っていた。

「何、ボーっとしてんだよ。」

「い、いや……」

普段、眼鏡してないし、髪もワックスで固めてるし、こんなの不意打ちだぁあああ!


「部屋、こっち。」

「あっ、うん。」

知らぬ間に、私が持っていた段ボールを持ってくれて、一番奥のドアに連れて行ってくれた。

「ここね。」

私が部屋を開けると、思ったよりも陽が当たって、温かい感じがした。

「いいだろう?一番、陽が当たる物件にしたんだ。」

「うん。いいね。」

入って見ると、意外と広く見える。
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