情熱的に愛して
誰が、二人二部屋を想像する?

「あっ、もしかしておまえ……」

「何よ?」

「俺に、襲われるとか思ってんの?」

「えっ……」

頭の裏が、むずがゆくなる。


そりゃあ、一緒に住んでて、夜寝る時まで、一緒の部屋で寝ていたら、そんな危険も無きにしも非ずで……


「気にするな。俺はちゃんと、相手は選ぶ。」

私の目が点になる。

「……どういう意味?」

「おまえには、手を出さないって言う意味だよ。」

私の体のどこからか、空気が抜けていく気がした。

「あっ、そう。」

「安心しただろ?」

「なっ!」


あいつの余裕の笑顔で、私達の引っ越しは、終わった。

今日の夜からは、こいつと二人暮らしだ。
< 79 / 234 >

この作品をシェア

pagetop