情熱的に愛して
言われてみれば、白い点がいくつかあるけれど、それくらいは許容範囲だ。

「だー。だから、俺、風呂掃除は人に任せられないんだよ。」

「えっ?」

見ると、何かに落ち込んでいるかのように、両手を顔に当てている。

「はっ!カビ取り!」

そして急に顔を上げて、奴は風呂場へ駈け込んだ。

何をそんなに慌てる事があるの?

私は一緒に、風呂場へ行った。

風呂場に到着して、私は目を大きくした。


何?この光具合。

お風呂場が、白く光っている!

思わずチカチカ眩しくて、手で目を覆った。

「どうだ?綺麗だろう。」

水でカビ取り剤を流しながら、残ったカビも、使わなくなった歯ブラシで擦っている。

「やりすぎじゃない?」
< 89 / 234 >

この作品をシェア

pagetop