情熱的に愛して
ガシャーン!

目の前が、シーンと静まり返る。


「ちょっと、夏海。大丈夫?」

秋香が急いで、服とテーブルを拭いてくれた。

「す、すみません。」

私も慌ててテーブルを拭く。

気が付くと、丸森さんが自分のハンカチで、私のスカートを拭いてくれていた。

「ま、丸森さんっ!」

「早く拭かないと、シミになっちゃうからね。」

そう言って、丸森さんはニコッと笑ってくれた。


優しい!!

しかも自分のハンカチで、拭いてくれるなんて!


「あっ、私そのハンカチ、洗ってお返しします。」

「ああ、大丈夫だよ。このくらい。」

次に会うチャンスが欲しかったのに、あっさりとポケットに入れられてしまった。
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