情熱的に愛して
そんな門馬と一緒に暮らしている事は、会社の人はもちろん、秋香にも内緒な訳で。

当然秋香は私を、合コンに誘ってくる。

「行こうよ。今度は企業している人ばかりだから、間違いなく社長よ。」

「うん……」

お手洗いで、秋香と一緒に髪の毛を直す。

「なんか夏海、最近、ノリ悪くない?」

「そんな事ないよ。ただ……」

「ただ?」

「……社長って言っても、いろんな人がいるって言うか。」


なぜかその時、門馬の顔が私の頭の中に浮かんだ。

いやいや。

門馬は、社長じゃないし。


「もしかして夏海って、大会社の社長を狙っているの?」

「違うわよ。」

「だったらいいけど。私達が狙える社長なんて、小会社の社長がいいところよ。」
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