情熱的に愛して
私達が廊下に出ると、偶然門馬が向こう側からやってきた。

「あっ、門馬。」

秋香が門馬の側に、走っていく。

「また、合コン行こうよ。門馬を連れていくと、女の子が喜ぶんだよね。」

「あのな。人をだしにするな。」

門馬はチラッと私を見た。


その瞬間、ドキンとした。

一瞬、目が合った?


「そんな事言って。本当は行きたいんじゃないの?ねえ、夏海。」

秋香が私の方を振り向く。

「……そうだね。」

私の覇気のない返事に、二人共目が点になる。

「どうしたの?夏海。やっぱ変だよ。」

「おかしな物でも、昼に食ったんじゃないか?市川の事だから。」

そう言って門馬と秋香は、顔を見合わせて笑っている。
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