情熱的に愛して
いや。

門馬の隣で、そんなに笑わないで。

胸の中が、モヤモヤしてくる。


「ねえ、秋香。」

「なに?」

どうしてこんなにも、門馬の隣で笑っている秋香に、嫉妬するんだろう。

「行こう。門馬だって、忙しいんだから。」

「あっ、ごめん。」

秋香は軽く門馬に謝って、私のところに来た。

そして私も、門馬に背中を向けて歩き出す。


「合コン、いつにしようね。」

「明日は?」

「いいね。夏海、ノッてきたじゃん。」

秋香の隣で、無理に笑ったけれど、本当は門馬に見られたくなかった。

こんな、友達に嫉妬している姿なんか。


オフィスに入る瞬間、少しだけ後ろを振り返った。

まだ、門馬がいる。

こっちを見ている。

それだけで嬉しくなる私は、どうにかなってしまったんだろうか。
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