(好きです)
長い間集中してたから、甘いものが食べたくなった。
会社が入っているビルのコンビニでアイスクリームを3つ買う。
私の分と残業してる課長と小野君の分。
「戻りました〜。アイスクリーム買ってきたんですけど、いかがですか?」
「サンキュー。今食べるわ。」
声をかけると、まず返事をしたのは小野くん。
「課長はどうされますか?」
「後で食べるよ。冷凍庫入れといてくれるかな?」
「わかりました。」
課長のだとわかるようにメモをつけておこう。
机の上のペンをとる。このペンも課長の真似をしたもの。手帳にスケジュールを書くときなど『消せるのが便利だ』と聞いて使ってみた。それ以来ずっと使い続けてる。
"課長へ おつかれさまです。召し上がってください。浅井"
ちょっと迷って裏に"好きです"と書いた。
認められてるのがうれしくて、ちょっとだけ浮かれてしまっていた。それに、この文字は消せるから。
"好きです"だけ消してアイスクリームの蓋に張っておく。
伝えたいけど、伝えたくない。
相反する気持ちには消せるペンがちょうどいい。
彼はきっと気づかない。でも、それでいい。
冷凍庫にしまい、席に戻る。
アイスクリームを食べていると、課長が先ほど提出した書類を持ってきてくれた。
「良くできてる。ここだけ、ちょっと直してもらえればOKだ。」
「ありがとうございます。」
「明日の朝イチで出してくれたらいいから、今日は帰りな。」
「わかりました。」
「おつかれさま。」
そう言って、微笑む。
あぁ、好きだなぁ……
彼の笑顔を見るたびに思いは膨らむ。
会社が入っているビルのコンビニでアイスクリームを3つ買う。
私の分と残業してる課長と小野君の分。
「戻りました〜。アイスクリーム買ってきたんですけど、いかがですか?」
「サンキュー。今食べるわ。」
声をかけると、まず返事をしたのは小野くん。
「課長はどうされますか?」
「後で食べるよ。冷凍庫入れといてくれるかな?」
「わかりました。」
課長のだとわかるようにメモをつけておこう。
机の上のペンをとる。このペンも課長の真似をしたもの。手帳にスケジュールを書くときなど『消せるのが便利だ』と聞いて使ってみた。それ以来ずっと使い続けてる。
"課長へ おつかれさまです。召し上がってください。浅井"
ちょっと迷って裏に"好きです"と書いた。
認められてるのがうれしくて、ちょっとだけ浮かれてしまっていた。それに、この文字は消せるから。
"好きです"だけ消してアイスクリームの蓋に張っておく。
伝えたいけど、伝えたくない。
相反する気持ちには消せるペンがちょうどいい。
彼はきっと気づかない。でも、それでいい。
冷凍庫にしまい、席に戻る。
アイスクリームを食べていると、課長が先ほど提出した書類を持ってきてくれた。
「良くできてる。ここだけ、ちょっと直してもらえればOKだ。」
「ありがとうございます。」
「明日の朝イチで出してくれたらいいから、今日は帰りな。」
「わかりました。」
「おつかれさま。」
そう言って、微笑む。
あぁ、好きだなぁ……
彼の笑顔を見るたびに思いは膨らむ。