あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
第1章

冬の始まりは期末テストから

「よしっと、完璧。」


私の朝は、料理に掃除いわゆる"家事"から始まる。


「お兄ちゃんー、芳樹くんも、そろそろ起きないと遅刻するよー?」

「んー…、まだ、平気だって…。」

「昨日、明日は1限からだって言ってたでしょー?はやく起きないと、私知らないからねー?」


私、高野芽依[タカノ メイ]の兄は大学生。

高校生である私からすれば、このルーズさがうらやましかったりもする。
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