あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「大学は2月から春休みなんだっけ。」

「そ。休みに入ったら毎日朝送ってってあげるよ。」

「え、悪いよ。せっかく休みなのに。」

「別に休みでもやることないから。」


俺が送りたいだけ、と芳樹くんは私にだけ聞こえるように小声で言った。


「めーいー、そろそろ出よー?」

「あ、うんっ。」

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