あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「……よしっ。」


いつもよりメイクもちゃんとしたし、服装だって普段なら珍しいワンピース。

ラッピングしたチョコレートはちゃんと持ったし、完璧だ。


「おっ、おまたせっ…。」

「全然。…んじゃ、行こっか。」

「うんっ。」


じゃあ行ってくるからー、と芳樹は自然に私の手を引いて

お兄ちゃんと南美ちゃんにそう言った。

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