あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「そ、それで…?」

「急いで救急車呼んで、今病院だって。頭打ってたみたいだけど…、目ぇ覚ましてないからまだ状態はわかんないって…。」

「そっか…。」

「ごめん芽依、俺急いで病院行かないと…。」


そんなこと、申し訳なさそうに言うから

私は思わず当たり前だよ!と大きな声を出してしまった。


「帰りの新幹線は自由席にしてあるから、今すぐ乗って、駅から病院までタクシー使おう。」

「いや、でも荷物…。」

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