あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「荷物なら私見てるし、とにかく芳樹は早く病院行って?」


急いで新幹線にのって、後ははやく駅に着くように願うばっかりだ。

行きも帰りも同じ時間かかっているはずなのに

なぜか帰りのほうが新幹線にのっている時間は長く感じた。


「あっ、荷物、邪魔なら私だけ先に家に戻って置いてこようか?」

「………いや、いい。」

「えっ、でも…。」


こんな大荷物で病院行ったら迷惑じゃない?

私が言おうとすると

芽依も一緒に来て、と芳樹は私の手を握った。
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