あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「よ、芳樹…?」

「あぁごめん。……久しぶりに見た、母さんがそんなふうに笑ってるところ。」

「よしくん…。」


芳樹は私の隣に立って

母さん、とお母さんに呼びかけた。


「……この人が、俺の大事な人です。」

「ええ、そうみたいね。」


お母さんは、にこっと笑って

私と芳樹のほうを見つめた。
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