あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
そういった芳樹の顔に緊張の色はなくて

いつも通りの芳樹だった。


「んじゃあ、そろそろ帰ろっか。」

「そーだね。……母さん、また来る。」

「うん…。待ってるわ…。」


ばいばい、と3人でお母さんに手を振って

私達は薄暗くなった帰り道を

電車に乗って帰った。
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