あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「…芽依ちゃん、ちょっと、いい?」

「わっ、芳樹くん。どうしたの?」


夕食後、洗い物をしている所を後ろから話しかけられて

私は思わずおわんを落としそうになった。


「あー、ごめん、びっくりさせた?」

「いや、大丈夫だけど…。」


私が言うと、そっか、といつもの顔で

芳樹くんは笑った。
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