あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
「約束ね。」

「わ、わかった。」

「…そろそろ寒くなってきたし帰ろっか。蓮たちも心配するしね。」


駅までの道を歩いているときも

電車の中でも

芳樹くんは私の手を離さなかった。

外はすごい寒いはずなのに

繋いだ手が暖かかったからだろうか

私は、冬の寒さが少しも気にならなかった。

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