そんなキミが大嫌い
そんなキミが
「…帰ろっか…。」
どれくらい居ただろう。
昼過ぎに来たのに、空はオレンジ色になっている。
私の言葉に瞬は頷いて、「じゃあな、穂香」と言って私の隣を歩く。
穂香が羨ましい…。
こんなにも…あなたは瞬に想われている…。
「あっつーい!…髪切ろうかなあ…。」
春なのに初夏のような暑さに私はため息をこぼす。
髪を切りたいと言ったのは本心。
穂香が死んでから、ボブヘアだった私は髪の毛を伸ばしている…。
それは……
「…俺は、長いままがいいな。」
君がそう言うから……
だから私は、なかなか髪を切ることが出来ない。
誰だって、好きな人のタイプに近付きたいって、思うでしょ……?