子犬とクマのワルツ

デスクに戻ると、ちょうど昼休みが終わる時間だった。
尾関が待ってましたと言わんばかりの勢いで俺を見た。

「主任、連休明けの会議の資料メールしました。」

慌ただしく今日中に済ませなければならない案件をこなしていく。

「ああ、ありがとな」

そうだ、今日くらいは皆早く帰りたいだろう。
明日からまた連休だ。

そっと史乃の方を見る。
史乃もこちらを見ていたので、彼女にしかわからない程度に口角を上げてパソコンに目を戻した。

午後の始業のチャイムが、控えめな音を響かせる。

俺たちの『両思い』は、まだ誰も知らない。




END.
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