珈琲の中で
浅煎りの香り
新しく珈琲を淹れて彼に差し出す。
細長く綺麗な指がカップをとらえる。
珈琲を飲む彼に尋ねて見る。
「さっきの絵、何を描いたの?」
「、、、。珈琲と君を描いた。勝手に描いてすいません。」
「それはいけないわね。私に見せてもらわないと。」
彼はスケッチブックブックを見ながら眉をよせた。
「、、、わかったよ。だけど、たいした絵じゃない。」
彼は絵を差し出した。
私は絵に魅入った。
「あなたの目には珈琲と私がこうみえてるの?」
彼はコクリと頷く。
「素敵ね。色があって、静かで、綺麗だわ。」
珈琲を淹れる私が描かれていた。繊細で、優しいくて、優しく優しく描いたことが伝わってきた。
「はじめてそんなこと言われたよ。」
彼は優しく微笑んだ。