珈琲の中で
スケッチブックと僕
眠い目をこすりながら足を動かす。
今日も描きたくもない絵を描くため、美大に向かう。
ふと昨日の出来事をおもいだす。
少しばかり気持ちが楽になっていた。
彼女のおかげだ。
昨日の事を考えながらあるいていると、いつもの声がした。
「よっ、イケメン。」
「朝からうるせーよ、伊月。」
こいつは同じクラスの伊月。明るいのが取り柄のうるさい奴だ。
いつも行動する時は大抵こいつと一緒だ。
まぁ、別行動の時ももちろんあるけど。
「相変わらずイケメンだな。女子の視線がうるさいぜ。」
言わせてもらうがお前のせいでもある。
キリッとした顔立ちに短髪がよく似合う伊月はかなりモテモテだ。
「お前が言うなよ。」
「おっ、俺がイケメンってことか。」
俺はいつも通り無視して、歩みを進める。
部屋に着くといつもの席に座り用意をはじめる。