珈琲の中で


自分の足でそいつらの方に向かって言った。



「あっ、やべ。聞こえちゃった?でも、気にしなくていいぜ?お前才能あるもんな。」



嫌味ったらしく言うクラスメイト。



教室がざわつく。



貴瀬は、、、、笑ってた。
あざわらうとは程遠く優しく笑っていた。



「あぁ、俺の絵には色が無いらしい。だが、それがダメだとはもう思わないんだ。」



なんだこいつ、かっこいいな。




「なっなんだよ。バカにしてんのか?」



「してないさ。ただ、僕は君が言ったことなんて気にしてないよ。」



貴瀬は微笑んで教室から出て行った。



周りの女子はそりゃーもうキャーキャーですわな。



呟いたやつは顔を真っ赤にして出て行った。



かわいそうなやつ。



にしてもなんか吹っ切れる理由でもあったんだろうか。



もう思わないってことは前は思ってたんだな。


まぁ、スランプから抜け出したって事か。



俺は貴瀬を追いかけるように教室をあとにした。









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