珈琲の中で
「私の手の絵は描けた?見せてもらえないかしら?」
彼女はいたずらに笑う。
まるで小さな女の子がなにか企んでるように。
僕はスケッチブックを渡した。
「、、、どうかな?」
「、、、やっぱり素敵ね。私今みんなにこの絵を見せつけたい気持ちでいっぱいだわ。」
彼女は満面の笑みで僕の絵を見ながら言った。
「こんなに綺麗に描いてくれてありがとう。」
「とんでもない。また描かせてもらうよ。」
「えぇ、待ってるわ。」
僕は立ち上がりお会計をする。
「今日は1540円です。それとこれはおまけ。」
渡されたのは小さな袋に入ったクッキーだった。
「ありがとう。おいしそうだ。」
自然と頬が緩む。
「珈琲にピッタリの味付けよ。」
君の香りとクッキーを貰った嬉しさで僕のこころは温かくなった。