珈琲の中で
僕は気にせず、大胆に色をつけはじめた。
君を描くのに色をつけずにはいられなかった。
優しく微笑んで涙を流す君。
知らず知らずのうちに沢山の色を使っていた。
終わりを告げる声で我にかえる。
目の前の絵は色を帯び、なんとも言えないほど美しい君がいた。
僕の目に映る世界はいつのまにかこんなにも色づいていたのかと涙が溢れそうになる。
絵の中の君はちょっと拗ねたような、だけど柔らかく微笑んで涙をながしている。
先生は僕の絵を見て目を見開き絶賛した。
何故だか今日は悪い気がしなかった。