珈琲の中で
「一応友達。」
「一応ってなんだよ。」
俺たちの会話にクスリと笑った。
「仲がいいのね。ゆっくりしていって。」
俺がイメージしていた女性とは全然違ってて、あの女性が涙を流したなんて考えられない程に大人びていた。
「僕はホットコーヒーの浅煎り、伊月は?」
「俺はホットカフェラテで」
「畏まりました。」
彼女は艶めかしく微笑んで準備をはじめた。
注文が終わってから貴瀬を見ると、貴瀬は彼女を熱い視線で見つめていた。
ふと貴瀬とカウンター越しの彼女の目が合い、2人は見つめ合い微笑みあった。
実に絵になる2人だ。
なんとなく俺の存在を無視しているこいつに腹が立ち、俺は貴瀬に話しかける。