珈琲の中で
「君も絵を描くの?」
「はい、僕は風景画を描くのがすきなんです。」
「へぇー。春君とは別のタイプね。」
春君だとよ。
ラブラブじゃねーか。
「あ、あんまり俺としゃべるとこいつが嫉妬ちゃうかも。」
俺は笑いながら言った。
「ふふっ、大丈夫よ。彼、絵を描きはじめたら周りが見えないから。」
彼女の言う通り貴瀬は僕たちの会話に入ることもなく絵に夢中だ。
「絵に嫉妬しちゃうくらいだわ。」
彼女と俺は笑いあった。
「さて、できました。ホットカフェラテとホットコーヒーの浅煎りです。」
僕たちにコーヒーをさしだした。
一口飲むと俺は温かい気持ちになり、しばらくこうしていたい気分だった。