珈琲の中で

こいつが顔だけで選ばないのは俺が良く知っている。



だからこそ気に食わなかった。




咲に俺は言ったことがある。


「お前は男を手の平で転がすのが上手いな。」



咲はこう答えたんだ。


「違うわ。私は男に手の平で転がされるのが上手なの。」



面白いと思った。




艶めかしく笑うあいつが欲しいと思った。





友達だった俺たちだったけど、俺から告白して付き合うことになった。




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