珈琲の中で
時間と君
君と出会ってから長い時間が経った。
僕は父さんの会社をついで、休みの日には絵を描いている。
僕の絵は高額な値段に跳ね上がり購入したい人があとをたたない。
だけど、この一枚の絵は君に贈ろう。
君は僕の絵を買いたいって言ってくれた。
君はこの絵を指差してこれがいいと言った。
珈琲の中みたいな暗い水の中で2人の男女が抱きしめ合っている絵。
題名は《珈琲の中で》
僕はこう言うんだ。
「畏まりました。こちら540円になります。」
END