甘やかして、私だけ



「俺好きな人とじゃなきゃ一緒に住まないし…」

「…!」


そんな・・・__



「あかねちゃんがいる所にしか住みたくない…くらい!!」


最後、フンッとどや顔気味の将くん…



この人は、なんでそんな嬉しいこと簡単に言えてしまうんだろう




将くんに惹かれていたのは私の方…

同居してるうちに大切な人になっていったんだ……





「だから、俺と付き合ってください…!」



照れているような顔して改まってそういってくれる



それに、私は・・・




「…はいっ。」



返事はとくにかわいくないけど……


気持ちに迷いはなかった



満面の笑みを浮かべる将くんは私のこと見透かしてて、全部わかってみてるみたいで



やっぱり、変なの…!!





将くんの広げられた腕に何回目だろうか


私はその中に勢いよく飛びついた




「はぁーやっと捕まえた…」


ぎゅーっと抱き締め返される




「もう離しません。」


もう、急にいなくなるのもダメ、なんだから!




「それ、俺のセリフだから!」

「えー私のでしょ!」





二人の笑い合う声はいつかの夜景と同じ、この輝く夜景の中に吸い込まれてゆく







いまこの場所で、繋がり合った気持ち、


その始まりもまたこの橋の上だったよね・・・










「もう、あの時みたいに夜風が冷たくない…」

「そりゃ、そうでしょ!」







もう、夏になるんだよと教えてくれたのは将くんでした__










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