甘やかして、私だけ


「だよね~」


えへへ~♪とか笑いながら私のほっぺをつつくな!


「お弁当の卵焼きハートだったし、もう俺にぞっこんじゃんかぁ!」




なに、はしゃいでるの、いい大人が…


やっぱり、気づかれてたのか卵焼き





「気のせいでしょ…」

「またそうやって~」


だから!つつかないでってば…!もぅ!

素直になれない私はそっぽを向く




「ねえ、ちゃんと教えて?」

「なにを…?」

「俺の事どう思ってるか」




急になに?


真剣な視線に捉えられた


でも、ちゃんと言わなきゃ…伝えなきゃだめだよね



「ね、聞いてる?」


返事がない私に問いかける将くんに振り向く



私は・・・


卵焼きを無意識にハートにしちゃうくらい


「…将くんが大好きっ!」



言えた! のに・・・!


「・・・。」



なんで無視するのーー!?

めっちゃ恥ずかしいじゃん!!



「…知らない!」

「あ!ちょっ…待って!」




私は、もうすぐそこまで迫ったアパートへ走り出した



















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