甘やかして、私だけ





自分の部屋まで数歩のところで気づく…





「…ん?」




なんかいい匂いがする!!!



私の部屋から!?



もしかして・・・!!





「お兄ちゃん!?」


バンっと勢いよくドアを開ける



すると・・・






「あかね、おかえり。」

「お兄ちゃん…何してるの?」



やっぱり・・・


そこには、なにかキッチンで作っているお兄ちゃんの姿が…




「なにって、ただいまのあいさつぐらいしろよ」


いやここ私んち!!

しかも呑気になに作ってんのよ



「ちょっと、それ私のエプロン!勝手に使わないでよ!」


お兄ちゃんが似合ってないのに、身に着けているものに心底驚かさせる



それは、私がだいぶ前から使っているもので

お気に入りなのにそのエプロン…



「いいじゃん、これ俺があげたやつだろ」

「別に!!だから使ってるわけじゃないし!!」


ふんっ、たまたまいいタイミングで貰ったから使ってるだけだし



「それより、よかったら食べる?」

「なにを?」

「夜ご飯食べちゃったみたいだけどな…」


お兄ちゃんの横から鍋をのぞき込む




そのお鍋で煮込まれていたのは・・・



「肉じゃがだっ!!」

「あかね好きだったろ?」

「うん、大好き!」




お鍋の中を見て心が躍る

私がちっちゃい頃から大好きな、お兄ちゃんが作る肉じゃが



「今食べていい?」

「いいけど食いすぎると太るぞ?」



えーなんでそんなこと言うの…



「お兄ちゃん、私が太ったら嫌いになっちゃうの?」

「そんなわけないだろ!」



とかいう前に少量お皿によそってくれている





久しぶりに食べられるお兄ちゃんの料理に感動しつつ


肉じゃがを口に運ぶ
















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