甘やかして、私だけ



なにを書こうか…


ペンを持ったまま迷って、ぱっと将くんの顔を見る



あ、!これだ!




そう思いすらっと書き


テーブルに伏せて将くんの前に差し出す



「え、なにこれ…」



出されたカードを不思議がる将くん



「あげる。」



イタズラした気分に笑いがこみ上げてくる




「なんか怖い…」

「いいから見なよチキンくん」

「うっ…それは…」



なぜか、見るのをためらう将くんにちょっと意地悪を言った


怖いことなんて書いてないし





「じゃあ、…」


そう言ってカードをめくる将くん



「うふふ♪」


「”あごにソース”…ってなにこれ!?」


「ここ!」




驚く将くんにそう言いおしぼりでぬぐってあげる


「え…」


「ずっと付いてたよ。ぷっ…」



思わず吹き出してしまう


すると、


「そういうことは、早く言ってよ!!」


恥ずかしかったのかムキになってそう言ってくる



珍しい照れ顔に私のイタズラ心に火が付く


「だって、ソースついててもかっこよかったから…」


わざとらしく、目を逸らして言ってみる




「え…」


「嘘だけど!」



今度こそ笑いが溢れだし私は声を出して笑う
















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