甘やかして、私だけ


:*~



「あ、将くんだ…」



目的地、将くんが働く鍼灸院に着いたのはいいものの



私は、窓から覗く不審者みたいになっていて




だって、お仕事している将くんってなんだか新鮮


それに、前も思ったんだけど制服似合ってる…


「カッコいいなぁ…」





つい、うっとりしてしまうけど


これ、本格的に変態だよね




でも、



「お昼休みって何時からなんだろう…」


「もうお昼休みですよ?」



え?



腕時計を見ていた私は、聞こえてきた声に振り向く



そこには



「…!千代子さん、」



忘れもしない抜群のスタイルでそこに立っていた



「覚えていてくれたのね!あかねちゃん」


「もちろんです!」




笑顔もどこか色っぽい千代子さん


これは、勘違いしちゃったのは仕方ない。うん。


そう、自分を慰める


ええっと。千代子さんは将くんの叔母さんに当たる方で


とりあえず!




「お疲れ様です。今日はいい天気ですね?」



失礼のないよう、世間話で仲良く


なんて、考えは甘かった・・・




「ねぇ、あかねちゃん?」


「はい?」


話題には乗らず私は呼ばれる


「あなたってやっぱり足が短いわ…」


「・・・。」


「それに、お顔だって…よかったら美容鍼灸していったら?」




言葉が出ません。


この人怖いよ・・・


こんな美人に何も言い返せないもん




脚が短いのはもう遺伝だし、数年前に気にするのもやめましたわ!


お顔だって…って!私のお顔プロから見てどうなってるんですか!?






「あはは…なんかすみませんでした。」



私、なぜ謝ったのかわかりません。




すると、千代子さんが少しきつめな顔になり



「ところで、将に会いに来たの?」


「はい…でも、なんか忙しそうなので…」



帰ろうかなんてこれっぽちも思ってないけど


もう、メンタルが・・・




「別に帰れなんていってないわよ?
仕事中に会いに来るのは大分重いんじゃない?って思ったの」


「あはは…そうかもしれないですね…」




重いって思われてもこれくらいしないと、私の場合伝わらないから・・・



心ではそう思っていても千代子さんにひるんでしまう






なんだかうまくいかなくて悔しい…


ぎゅっとスカートを握った



その時



















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