甘やかして、私だけ
「どこ行くの?」
引かれるままに素直についてきたけど…
「そこ!」
そういって指したのは、近くにあった公園で
草がふわふわしてる~!!
じゃなくって
「出てきて大丈夫だった?」
私が見た時は、忙しそうだったけど…
「うん、ちょうどお昼休みになったところ」
そうだったんだ
ところでお昼ご飯は・・・「ぶふっ」
そう、聞こうと思ったんだけど
痛い・・・。
急に止まった将くんにぶつかる
「ごめん。大丈夫?」
「うん…」
振り向いて私をのぞき込む将くんとばちりと目が合う
至近距離で真っすぐに見つめられ、私は目が逸らせない
なんか、ドキドキする…。
体の熱を冷ましてくれるように吹く、涼しい風で
自分が立っている場所が、大きな木がつくる日陰だということに気づいた・・・
すると、
「ねぇ、なんで急に会いに来てくれたの?」
甘い声で言われて簡単に答えてしまう・・・
「私、鈍感って思われてるみたいだから、行動で示そうと思って…」
「え……何を?」
「将くんに彼女として意識してもらうこと。」
私から反応が無いと引いていってしまうんでしょ?
そんなの嫌だから。
私ちゃんと頑張るので、ちゃんと恋人らしくなりましょう。
「ね?聞いてる?」
「聞いてる…」
その割には黙ってるけど
まぁいいか!
それでは、驚かせた後は、私のこのお弁当で喜んでもらおう、
って思ったんだけど・・・
「あかねちゃん…」
将くんに優しく呼ばれ顔を上げると
「・・・んっ!」
急に近づいた顔に驚く暇もなく
当たった柔らかい感触…
え・・・これって・・・キス?
重なった唇はすぐに離れて
「あかねちゃん…好き…」
「・・・うん。私も…」
全部、頭が付いていかないよ・・・。
すると、少し意地悪そうに笑った将くんが
「私も、なに?」
くいっと顎を持って、逸らそうとした目線を合わせられる